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知られざる戦前の祝日・記念日 皇室関連と軍事

祝日・記念日のイメージ
祝日・記念日のイメージ
 憲法記念日やこどもの日など、現在、日本の祝日は16日ありますが、振替休日を含めるとさらに多くなります。

 近頃は「山の日」や「海の日」、「昭和の日」など、新しい祝日も増えてきました。しかし、私は休みの日をありがたがる反面、その由来についてあまり詳しく知ることはありませんでした。

 ましてや、昔にどんな祝日や記念日があったかなど、まったくわかりません。そこで、戦前の祝日や記念日を調べてみたのですが、ほとんどが戦争と皇室関連だったのです。

軍関連の記念日いろいろ

 軍国主義だった明治から昭和初期は、実際に軍関係の記念日が設けられていました。

陸軍記念日

 日露戦争で奉天への入場日を記念して制定された陸軍記念日。当日は休日となり、記念式典などが行われました。

海軍記念日

 こちらも日清戦争の際、日本海軍がバルチック艦隊に勝利した日を記念して制定されました。

 そのほかにも、戦時中のごはんを調べた時「兵隊さんの労苦を偲んで、日の丸弁当を食べる」という大詔奉戴日という記念日がありました。戦意高揚を狙ったものだったそうです。しかし、当時は日の丸弁当ですら持って来ることができない子が多かったのだとか。

 終戦後は当然のごとく、これらの軍事関連の記念日は廃止されました。

生前は命日だった?皇室関連の祝日

 現在の天皇誕生日は2月23日ですが、ほかにも天皇誕生日が元になった祝日があります。「昭和の日」はもともと昭和天皇の誕生日ですし、11月3日の文化の日も、最初は明治天皇の誕生日だったのだとか。

 しかし、戦前では誕生日ではなく崩御された日が祝日として指定されていました。現在のように繰り上げ式で、明治時代は孝明天皇(明治天皇の父親)、大正時代は明治天皇の崩御された日が「先帝忌」として祝日になっていました。

 ただし、初代天皇である神武天皇だけは特別だったらしく、崩御された4月3日を神武天皇祭、即位された2月11日を紀元節として、2つの祝日が指定されていました。

現代に受け継がれた祝祭日

 このように、戦前では軍事と皇室関連の日が祝日となっていましたが、これらの祝日は名前や意味を変えて現代にも受け継がれています。

 11月3日は文化の日ですが、これはもともと明治天皇の誕生日でしたし、2月11日の建国記念の日もまた、神武天皇即位の紀元節が元になっています。

農業関連の祭祀

 その年の収穫を神に捧げる神嘗祭(にいなめさい)、五穀の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)があり、11月23日の新嘗祭(にいなめさい)は戦後、農業以外の労働にも対応した「勤労感謝の日」として続いています。

 戦前の祝日は天皇家が行う祭祀(さいし)の意味合いが強かったようですが、祭祀自体はいまでも宮中で行われています。

 今でもニュースで天皇陛下や皇后陛下が祭祀を行う姿がニュースになりますが、戦前は祝日になっていたんですね。

まとめ

 昔は祝日になると家の前に国旗を掲揚する風景が見られました。そのため、家の塀には国旗を設置するための専用金具が備え付けられていました。しかし、今では祝日は単なる休日になってしまい、意味を考えることも少なくなりました。

 祝日の意味を知ることは、日本の文化や歴史を知ることにも繋がりますので、知っておくことも大事だと思います。

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  この記事を書いた人
日月 さん
古代も戦国も幕末も好きですが、興味深いのは明治以降の歴史です。 現代と違った価値観があるところが面白いです。 女性にまつわる歴史についても興味があります。歴史の影に女あり、ですから。

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